誰でも簡単に、手が空いた時にできるフェイスアップ。
でも、なんとなくフェイスアップをしていませんか?
フェイスアップ=商品を前まで出してくる。だけじゃないんです!
実は商品を前に出す以外にも、やることはたくさんあります。
フェイスアップを正しく行うことで様々なメリットがありますので、管理人の考える7つのコツを解説します。
フェイスアップとは?
なぜフェイスアップと呼ぶかというと、商品ラベルの写真やイラスト、テキストの部分を顔(フェイス)に見立て、前に向けて上げる(アップ)作業だからです。
文字通りの意味だけではなく、先輩に「フェイスアップやってきて!」とお願いされた場合は、売り場全体をきれいに整えてくるようにという意味合いになります。
タイミングとしては、客数が多くなるピークの前後におにぎり、サンドイッチ、パンなどの回転率が早い棚を優先的に行うと効果的です。
①顔出し
商品の顔であるラベルなどを前に向けます。
お客さんの方に向けることにより商品名が何なのかを認識できますし、写真やイラストは広告の役割をしているので購買意欲を高めることができます。
ヨーグルトやインスタントカップ麺などのフタがある商品は上側と側面の両面にフェイスが存在する場合があるので、どちら側のフェイスがお客さんからよく見えるのかで向きを変えてあげましょう。最下段に陳列されている場合は上側のフェイスの方がよく見えるので上側のフェイスを調整した方が良いでしょう。
アイスケースに陳列されている商品はお客さん側に向けて顔出しします。また、雑誌などの寝かせて陳列する商品は、上部分を前側にして商品名が認識できるように陳列するのが良いと思います。
②前出し
商品棚の奥にある商品を前に出す作業です。最前列まで出してくることでお客さんが商品に気付きやすくなり、機会ロス・廃棄ロスの削減になります。
特に上段と下段に陳列されている商品はお客さんが見落としがちです。背が低い人は上段の商品が、背が高い人は下段の商品が見えづらいので注意を払います。
アイスケース、リーチインケースは冷たいので敬遠しますが、夏場は良く売れるので積極的に行いましょう。アイスケースの場合はロードラインに注意して、下のカゴから補充することでカゴの上層まで商品を前に出せます。
また、お菓子などを直立させるL型のストッパー(アンコ)は商品が1個や2個になった場合、反転させると傾斜が大きくなるのでより前に出すことができます。
③前進立体陳列
前出しを行いながら、商品を立たせ、上に積み上げることで立体的に陳列します。売り場の空間を最大限に活用することができ、商品の回転率が上がります。
パンなどは寝かせて並べるよりも、立て気味に重ねた方が、より商品を認識することができます。商品が売れて減っても、2列目以降の商品がより前に出ている状態なので、欠品と思われるリスクを防げます。弁当などの平たい商品も重ねて陳列した方が同様のメリットがあります。
カップラーメンなどを重ねる場合、2段目の商品の底を1段目の商品の先端まで出した方がきれいに立体感を出せます。
ポテチなどの袋商品も、胸を張るように少し反らせることでより立体感を出せます。
④期限を並べ替える
商品には何種類もの期限があります。古い期限の商品をお客さんが無意識に手に取って行く場所に並べることで、廃棄を減らすことはもちろん、新しい期限の商品を生かすことができるので、売上を上げることに繋がります。
基本的な並べ方としては、お客さんの9割は右利きで右側が手に取りやすいので、同じ商品が3列で並べてある場合、一番右側に古い期限の商品を並べることで古い期限の商品を売ることができます。ただ、おにぎりなどがケースのガラス壁に触れるくらいまで右端に寄せて並べている場合、取る際に手の甲がガラス壁に当たって取りづらくなる為、右端を避けてひとつ左側に並べます。これは、個店によって、売り場什器、お客さんの身長などで変わるかもしれません。品出し後、どこの場所がよく取られているか?を注意して見て、取られている場所に古い期限の商品を並べるようにしましょう。
⑤陳列位置を変える
商品在庫数が少なくなっても、陳列位置を変えることにより、売り場の品薄感をなくせます。また、目線の散らばりを防ぎ、お客さんが商品を見つけやすくなります。
おにぎりやパンなどのデイリー品は数が少なくなると分類に注意して、他の段に上げて(または下げて)目線の位置に移動させ、段の中央に寄せてまとめてあげます。
ただ、お菓子や雑貨などの非デイリー品が欠品した時、隣の商品を動かして穴埋めをしていることがありますが、管理人の考えとしては止めた方が良いと思います。
なぜなら、非デイリー品の陳列位置は決まっていますし、欠品中だった商品が納品されて、穴埋めしていた商品をまた元の位置に戻す時、期限をよく確認して戻さないと期限の前後が起こるリスクがあるからです。また、プライスカードも動かしていると思うので、納品された商品をどこに陳列したらいいか分からない、プライスカードもどこにあるのか分からないということも頻繁に起こります。そんな心配はなく売場管理ができるのなら穴埋めをしても良いと思いますが・・・。現実的に難しいと思います。
⑥商品を整える
商品を整えてきれいに陳列することで清潔感や新鮮さをアピールできます。新しい商品でもシワが目立っていると、古い印象を与えてしまい売れ残りのリスクが上がります。また、商品が潰れやすくなり、破損の原因にもなります。
パンや袋スナック菓子などのパッケージはシワができやすいです。対角線上に袋の端の2点を持って引っ張ることでパッケージ全体に均等に力が加わり、シワが伸びやすくなります。また、シワがひどい場合は、パッケージ同士を向かい合わせてクルクルと回して擦ることで摩擦による熱を発生させ、パッケージの素材が柔らかくなり、シワが伸びやすくなります。
同じ商品が真後ろに来るように並べて列を揃えましょう。おにぎりは辺の2ヵ所を両手で抑えることで、きれいに素早く列を揃えることができます。
⑦プライスカードの位置を直す
プライスカードを正しい位置に取り付けることによって、商品を識別でき、誤販売を防げます。また、商品の価格が分かることで安心して買うことができるので、売り逃しのリスクを減らせます。
基本的にプライスカードは商品の中央、もしくは左側に提示します。日本語は左から右に読む言語なため、日本人は左を起点に目線を動かすことに慣れているので、プライスカードを左側に取り付けることで自然な流れで読むことができます。
プライスカードを左側に固定することで、商品の区切りができ、フェイス数の管理も容易になります。
プライスカードは他にも商品の情報を知る上で重要な役割をしています。プライスカードが売り場にないことに気が付いたら、作成して取り付けましょう。
まとめ
フェイスアップの7つのコツをご紹介しました。
時間を持て余して何をやったらいいか分からなくなったら、この7つを思い出して実践してみてください。売り場全体を徹底的にやろうとすれば、時間は足らないはずです。
フェイスアップは地味な作業ですが、数十秒という短い時間でも売り場の印象を大きく変えることができる重要な作業です。
手を動かして頑張りましょう!